VFO(6)

ディジタルVFOの場合,周波数ステップの切替えが必須かと思う.
ただ,実際操作してみるとステップ切替え操作はかなり煩わしいもので,なんとかしたいと思っていた.
切替え頻度を減らすにはパルス数の多いエンコーダを使えばよさそうだが,今一つスッキリ解決するような気がしない.それにエンコーダが高価.

そこで,特に目新しいものではないが回転速度を検出してそれに応じて連続的に周波数ステップを変化させるようにしてみた.ここに動画をUPしておく

今回試した方法は次のとおり.
ダイアル速度を vd,加速を始める速度しきい値を vth として,次式のように変数 L に積算していく.
(1) vd>vth のときのみ, L=L + (vd – vth);

また,速度 vdが 0 のときは,減速用の定数をRdec として,
(2) L=L – Rdec;   ただし,L<0 ならL=0;

次に,Lの値からRaccを加速率の定数として次式でステップ数を決める.

(3) ステップ=最小ステップ + Racc*L^n;

現状,n=2 としているが,他の定数も含め操作感に関わる値なので,いろいろと調整するといいと思う.また際限なくステップが大きくなるのを回避するためには,Lの上限を設定すればいい.

ダイアルの速度の検出は簡単で,エンコーダカウント値の絶対値が速度そのものなので,特に何か処理が必要なことはない.
公開しているソースで言えば,count という変数の絶対値が速度( vd=|count| ).
理由は,count はメインループの1回の処理時間当たりのカウント値なので,その絶対値はダイアルの速度に比例したものとなるため.

結局,メインループの処理1回で変化させる周波数Δfは,

(4)    Δf=count*( 最小ステップ + Racc*L^n );

動画は,
vth=2, Racc=0.002, Rdec=1.0, n=2, 最小ステップ=10[Hz]
で動作させたもの.

個人的には,ステップ切替えスイッチは無くてもいい,と思えるくらいの操作感になっていると思う.