SSBの生成のプログラムを作成し信号を観測した.プログラムは下図に従って作成.

入力信号は 1.5kHz の正弦波.キャリア周波数 24kHz でUSBを生成した.
よって出力は 25.5kHz の正弦波となる.
スペクトラムの実測結果は以下のとおり.

完全ディジタル処理によるSSB生成なので当然ではあるが,キャリア(24kHz)も逆サイドバンド(22.5kHz)もまったく観測できない.
測定側のダイナミックレンジが十分ではないが,少なくとも -70dB は抑圧されている.無調整で(調整のやりようがないが)十分な性能が得られている.
帯域を広げていくと少し問題点が見えてくる.
まず,100kHz まで観測すると信号(25.5kHz)の高調波が見える.

これはDAC(PCM5102A)の出力が 500mVpp のときだが,2次高調波は -60 数dB .
これくらいであれば問題ないが,DAC出力を大きくすると悪化していく.
ちなみに,2Vpp のときには -50dB となった.送信時はDAC出力レベルは控えめがよさそう.
さらに観測帯域を 1MHz まで広げると下図のようになった.

384kHzとその整数倍の前後にスプリアスが生じている.これはPCM5102Aが最終的に384kHzまでオーバーサンプリングして信号を出力しているためで,波形を見ればよくわかる(下図)

0次ホールド特性どおりのスペクトラムといえる.
結論から言えば,問題点はすべてDACに起因するもので,実際に使用する場合は DACの出力に適切なフィルタが必要だろう.