Si5351で直交信号

直交信号が得られると非常に有用なので,Si5351で試してみた.
MultiSynth のDelay機能を使えば,ch間の位相差(時間差)を設定できる.
結論としては,3MHz以上で直交信号を得ることができた.

サンプルコード(Si5351Aの設定に関する部分のみ)を修正しておいた.
ch0, ch1 に出力されるようになっている.

以下詳細.

Delayは,td= N/(4*fvco) —-(1)
で,N は,0~127の範囲で設定できる.

出力周波数は, fout=fvco/(M*R) —- (2)
(M:MultiSynthの分周比,R:出力dividerの分周比)

90度位相差に相当するDelayは, td=1/(4*fout) —- (3)

(1), (2), (3) より,
N=M*R

つまり,fvco と fout の比(fvco/fout )を設定すれば
90度の位相差となる.

ここでNの値として設定できるのが最大127まで,というのが制限になる.
fvcoの下限は375MHzであるから,
(fvco=fxtal*(a+b/c) で,a>=15, fxtal=25MHz.よって25*15=375 )

375/127≒2.95MHz.これが,直交信号が得られる下限となる.

ちなみに,VCO自体の周波数範囲は,
使用したチップの実測で 200MHz~1160MHz くらいあるようで,
意外と広帯域である.

3MHz
20170314_3M

7MHz
20170314_7M

14MHz
20170314_14M

21MHz
20170314_21M

28MHz
20170314_28M

50MHz
20170314_50M

Si5351

Clock Generator Si5351A搭載のモジュールを入手したので動かしてみた.
今回作成したサンプルコード
(Si5351Aの設定に関する部分のみ)を置いておく.

これだけで2.5kHz ~ 200MHzの任意の周波数を発生できる.
周波数分解能は出力周波数にもよるが,約6Hz(150MHz~200MHz時)
出力周波数が低いほど高分解能になる(Divider で分周するため).
20170313_1

7.000000MHz 出力
20170313_7M

受信機でモニタした限りでは,通信に使えそうなC/Nではないかと思う.
矩形波なので高調波の問題はあるが,
受信用のローカルOSCとして使用するならこのままでいいかもしれない.

200.000000MHz 出力
20170313_200M

こちらは,モニタできないので波形のみ観測.
100MHzのオシロなので,フィルタがかかってきれいな波形になっているが,
信号がおよそ200MHzで出ていることは確認できる.

位相も設定できるようなので,後日試してみたい.